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糸島こどもとおとなのクリニック

マッケンジー法・症例ファイル

case_126 右足底の痛み

投稿日:

2年ほど前から感じている右足の裏の痛み、だんだんと広がってきました

糸島こどもとおとなのクリニックから不定期にお届けするマッケンジー法・症例ファイル。
今回は右足底の痛みで来院された60代男性のお話です。

2年ほど前からあまりこれという思い当たることもなく右足裏が痛くなりました。半年くらい前までは朝起きたときは何ともなくて、日中にだんだんと悪くなることの繰り返しでしたが、この半年は朝起きたときも多少痛みが残っていて、午後から悪くなる状態が続いています。

ある基幹病院の神経内科、整形外科にかかったところ、症状は坐骨神経痛ではあるけれどMRIなどの画像には異常がないと言われたそうです。一時、大量のリリカを飲んでいたのですがが、その頃は足の感覚がなくなっていて、他科の疾患でかかっている先生に診てもらった際に、リリカの量があまりに多すぎるのでと少しずつ減らされ、現在は75mgを1カプセルのみ服用しています。

その後、基幹病院からあとは近くの整形外科にと紹介され、その整形外科での治療が難しいとの判断で漢方診療の医師に回され、漢方診療を開始されました。その医師がたまたまマッケンジー法の事を知っていたため当院へ紹介されたという長い経緯があります。

お仕事は数年前まで営業で車の運転が多いお仕事でしたが、今は事務職で座りっぱなしのようです。

両大腿にも少し痛みや違和感を覚えることがあるようですが、今は右足の症状のみで座位でも右足に3点(考えうる最大の痛みが10点満点として)の痛みがあります。

座っている姿勢が悪いので、まずはしっかりと姿勢を整えて1分ほどすると、右足の違和感が少し軽減しているような感じがあると言われます。

そのまま立ち上がってみます。

B男さん
立ち上がった時、ちょっと違いました

このちょっとした変化を参考に、評価を続けます。

流し台のところに移動して、流し台に腰を当ててしっかりと伸展するやりかたをご説明してまずは一回。特に問題ない事を確認してトータル10回の伸展をします。

佛坂
ちょっと歩いてみましょうか
B男さん
今は普通に歩けます!

(EIS流し台 10回 B)

日常生活上の注意やエクササイズのご説明をして初回評価を終了しました。

通常は早めにフォローアップするのですが、遠方であることもあり、初回評価から3週間後になりました。

痛みの具合はとお尋ねすると、だいぶよいようです(^-^)

初診の日から数日で違う感じが出てきて、その後も順調に良くなっている感じだったそうです。今は日常生活には困らない程度になっていて、会社から帰るときにも普通に帰ることができるようになったと喜んでおられます。

エクササイズは一日4セットくらいはできているようです。

今現在は歩行時に右足先だけに3点程度の痛みがあるくらいです。

エクササイズをチェックします。

上手にできているようです。

B男さん
さっきよりぼやけた感じですね……

痛みの程度は3点のままです。

(EIS流し台 5回 NE 疼痛レベル変わらず)

佛坂
上手にやっておられるんですが、限界までできたでしょうかね?今度は自分でいっぱいまで行ったと思ったところで、あともう少し!という感じで5回やってみましょう(^-^)

今度は流し台が少しきしむような音をたてたので、より深く曲げることができているようです。

佛坂
歩いてみましょう
B男さん
(歩きまわりながら)…違いますね〜〜!
佛坂
何点くらい?
B男さん
(歩きまわりながら)…1点くらいでしょうか

一見すると同じようにやっているかのように見えるエクササイズも、このほんのちょっとしたやり方の違いで効果がガラリと変わってきます。

B男さん
リリカはやめようと思ってます
佛坂
そうですね!今回、体操だけでこれだけ良くなったんですから、少しずつやめていいと思いますよ!
B男さん
この体操のほうが効きましたしね(^-^)

それから2週間、初診から5週間後。

痛みはほとんどなくなったようです(^-^)

時に右足先の2-3点くらいの痛みが出ることがありますが、問題ないレベルと言われます。

右足先の痛みを実際に歩いていただき確認してみます。現在は歩行時に1点くらいのかすかな痛みがあるようです。

エクササイズをチェックします。
しっかりとためながら限界までというところを意識してよくできています。

佛坂
もう一度歩いてみましょうか。いまどのくらい?
B男さん
今は……0点ですね!

(EIS流し台 ER意識して 5回 abolish B)

2年間も続いている足底の痛み。半年前からはさらに悪くなって末梢神経が障害されているという診断でリリカまで処方されていました。

実は腰痛や下肢痛などの症状が全く無い方でもMRIを撮影すると椎間板ヘルニアなどの異常が見つかることは稀ではありません。今回は幸いにもMRI検査で異常がなかったので、手術などには至らなかったのですが、もし無症状で痛みとは関係のない何らかの、さも関係ありそうな部位に異常が見つかっていたとしたら……ひょっとしたらそれを根拠に手術になっていた可能性もあります。

もちろん神経障害性疼痛であればリリカを使用しても問題ないでしょう。しかし、診察室でエクササイズをした直後に症状が改善することを考えると、神経障害性疼痛ではなかったようです。

今回ご紹介したお話、皆さんはどう感じられたでしょうか。将来、日本でも鎮痛剤などのお薬を使う前に、マッケンジー法(MDT:Mechanical Diagnosis and Therapyとも呼ばれます)によるメカニカルな評価を受けることが医療のスタンダードになる日が来たら、不必要お薬を使わないで良いばかりではなく医療経済的にみてどのような好影響があるのか、みなさんも自分のことのように考えていただくきっかけになればと思います。

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