福岡・糸島の整形外科・小児科・児童精神科・歯科・リハビリ科

糸島こどもとおとなのクリニック

マッケンジー法・症例ファイル

case_129 右肩痛

投稿日:2019年4月23日 更新日:

腱板断裂がある右肩の痛み、バドミントンは出来ないのでしょうか

糸島こどもとおとなのクリニックからお届けするマッケンジー法・症例ファイル。
今回は右肩の痛みがあるバドミントンの大好きな40代女性のお話です。

バドミントンが好きという方は比較的多くいらっしゃるのですが、この方は競技レベルでバドミントンをなさる方です。

これまでにもバドミントンをなさる方をご紹介したことが何度かありますが、その中のお一人がこの方のバドミントンの指導をしておられた関係でご一緒に来院されました。

昨年の9月ころ、バドミントンの試合前に通常よりハードに練習をした後に右肩が痛くなりました。それから2週間ほどした頃には夜寝ているときにも右肩が疼いて目覚めることもあり寝不足になったようです。

問診では特にレッドフラグなどありません。

さすがにバドミントンのラケットを振っておられるだけあり、右肩の可動域は良好ですが、右手を前から上げる(右肩前方挙上160°)と2点(考えうる最大の痛みが10点満点として)の右肩痛があります。

さらにラケットを振るときのテイクバックのような状態(水平外転外旋)で3点の疼痛も確認できました。

これらの症状をベースラインとして評価を開始します。

まずは姿勢を矯正して保持すること1分。

佛坂
さっきと同じように手を上げてみましょう
A子さん
あらっ、さっきより痛くないです…

(姿勢矯正保持 B)

頚椎の可動域には異常はありません。もともとバドミントンで首も自由に動かせていた方ですので、最初から負荷を強めにしっかりと頚椎の伸展を5回やっていただきます。

佛坂
手を上げてみましょうか
A子さん
(こちらを見ながら)……全然痛くないです
佛坂
さっきの痛い方の動きをやってみましょうか
A子さん
これも全然痛くないです!

(RET+EXT w/op self 5回 abolish B)

姿勢、エクササイズのことなどご説明していると、

A子さん
さっきまであった右肩の違和感が無くなって、今は左右全く同じ感じです(^-^)

じっとしているときの違和感すら変わったことを自覚されました。

それから10日後。

経過をお伺いすると、前回の来院から2日ほどは驚くほど良くなっていたようですが、その後、体操しても効きが悪くなったようで、バドミントンを控えていたそうです。

今は手を横に上げるだけでも5点の痛みがあります。

エクササイズをチェックします。

自分でやっていた通りのやり方で5回。

A子さん
あれっ、今は痛くないです!
佛坂
ご自分でもポイントを意識しながら丁寧にやれば大丈夫そうですね(^-^)

人にチェックしてもらいながら実施すると、より頑張ってやる……みなさんもご経験があるのではないでしょうか。

これで大丈夫かと思いきや、初診から4週間のころ、夜が眠られないほど痛かったとのことで来院されました。

最近の状況をお伺いすると、昼間は比較的良いけれど、バドミントンをしたあとは悪いことが続いているようで、練習後の現在も痛みが強いようです。

エクササイズをチェックします。

A子さん
こうやってると体が倒れそうになるんでやりにくいんです

太ももに手をつきながら少し前傾姿勢でやってみます。

A子さん
これはやりやすいです!

しばらく反復してから

佛坂
右肩の痛みいかがです?
A子さん
あっ、痛くないです!……これだったら寝られそう。来てよかった(^-^)

それから4ヶ月ほど来院がなく、もう良くなってしまったのかというころ、数日後の試合に出るかどうか悩んでいるということで来院されました。

聞くと、夜中に疼くことがあったのですが、お忙しいため当院の診療時間には間に合う時間には来られず、しかたなくお近くの整形外科を受診されたようです。そして右肩のMRIを受けたところ、腱板がいつきれてもおかしくない状態で、切れたら修復もできないかもしれないのでバドミントンはやめるようにと告げられ、以来、バドミントンは言われるままやめていました。

その頃の状態を詳しく伺ってみまたところ、バドミントンをしても昼間の肩を動かすときの痛みはなかったようです。

今は右肩に違和感はあるものの動きには問題ないようです。

以前やっていたエクササイズはというと……完全にサボっていたそうです。

前回指導した内容を確認し、エクササイズを再度実施していただきます。

佛坂
違和感はどうです?
A子さん
いま違和感はないです(^-^)

(胸椎伸展を意識したRET+EXT w/op self 5回、エンドレンジを意識して B)

笑顔が戻りました。

A子さん
希望が持てました。やってみます!

試合に出ることにしました。練習を長く休んでいたのですが、数日あれば調整して出ることができると言われます。

それから1ヶ月半ほどした頃。

今回は左足首の痛みがあるとの事で来院しました。

で、先日のバドミントン大会はというと…ほとんどの選手が20代という中で……なんと優勝です!

大会に向けて調整してきたのに、肩のMRIで腱板がいつ切れてもおかしくないからバドミントンはやめるようにと言われてその時は頭が真っ白になるほどショックを受けました。でも、どうしても諦めきれずに当院に来て、その場で症状が改善して2日後までにわずかな時間で調整しての快挙。

思わず同行して来られた監督の手を取って喜んでしまいました!

本人も優勝した瞬間、涙が出そうに感動したと熱く語って下さいました。

A子さん
先日こちらに来てから真面目にエクササイズやったら…それ以来、右下にして寝ても全く右肩が痛くないんです
佛坂
…っていう事は?最初からまじめにやってたら右肩は痛くならなかったってことかな?(^-^)

今は二度とあんな事が無いようにと毎日朝昼夜の3回はバッチリ続けているそうです。

おまけになりますが、いつ切れてもおかしくないと宣告されてたMRI画像のCDもお持ちになりましたのて、参考までに確認してみました。
右肩には間違いなく腱板断裂がありました。

しかし、無症状のアスリートの肩のMRIを撮影すると腱板断裂が見つかることが少なくないという論文も複数発表されています。つまり、腱板断裂があるからと言ってそこが痛みの原因とは限らないのです。

さて、今回は3ヶ月ほど前に捻挫した後の左足首の痛みが取れ切らないことについても相談があったのですが、受傷した時にさほど腫れたりしなかったようで、また特定の動きのみで痛く、通常歩行は問題無し。当時の痛かった場所といまは少し違う場所…と話を聞いてると、なんか最近ご紹介したお話を彷彿とさせるような…

この続きはまた機会があればご紹介致しましょう。

-マッケンジー法・症例ファイル

Copyright© 糸島こどもとおとなのクリニック , 2019 All Rights Reserved.