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糸島こどもとおとなのクリニック

マッケンジー法・症例ファイル

case_145 左踵・左膝痛

投稿日:2019年10月8日 更新日:

朝起きたたときの左踵(かかと)の痛みが続いていましたが、数日前から左膝の痛みが加わりました

糸島こどもとおとなのクリニックからお届けするマッケンジー法・症例ファイル。
今回は長く続いている左踵の痛みに加えて、左膝にも痛みが加わったという30代男性のお話です。

半年から1年くらい前から、特にこれと言ったきっかけもなく朝起きたときに左踵に痛みを覚えるようになりました。
日中はさほど問題なかったので放置していたのですが、座っている時にも、時に痛むことはあったようです。最近では右踵にも痛みが出てきました。
3〜4日ほど前から左膝にも重いような痛みがでてきたため来院されました。
よくお話を伺ってみると、腰は痛みというほどではないものの、慢性的に重いような感じがあります。

腰椎の単純X線検査では軽度の変性を認める程度で、メカニカルな負荷をかけられないような重篤な病理(がんの骨転移など)はないようです。

まずは姿勢の矯正をしっかりと行い、保持すること1分。
この間、特に脚に響く痛みなどはありません。

その後、立ち上がっていただくと、さきほど立ち上がったときに感じていた左膝の突っ張り感が少し良いようです。

腰椎の可動域を確認します。

おおよそどの方向も大きな可動域制限はありませんが、腰を横にずらす動作で左膝に痛みが出ることが確認できました。

(LSG produce left knee pain)

先程の姿勢矯正に対する反応を参考にして、伸展方向に対する反応を確認します。

体力がありそうな男性ですので、うつ伏せになっていただき、最初から少ししっかりと負荷をかけて伸展すること10回。

さらに左膝の突っ張り軽減は軽減しているようです。
しゃがみ見込みをするとまだ少し突っ張り感を覚えます。

このようにはっきりとした変化というほどの改善が明らかでないときには、問診情報などから得られる予想される改善する方向と逆の方向も確認しておきます。

座っていただき、しっかりと腰を曲げる負荷を10回。

これは、症状に特に影響はないようです。

(FISitting 10回 NE)

逆方向に動かしたら悪くなるとは限りません。
もとの伸展の方向性で、また刺激の加え方を変えてみます。

立ったまま腰をしっかりと伸ばしてみます。

1回…、2回…、とゆっくりと自分のペースで、症状の変化についても気を配りながら。

すると、7回目で左膝軽い痛みの訴えがありました。
同様に見える伸展の動きであっても、立っているときとうつ伏せになっているときとで反応が違うことはよくあることです。

さらに他の方向性を探るのも手段の一つですが、まだしっかりと伸展方向をやりきっているわけではないので、ご本人とこれまでにどう考えてこの伸展方向の動きを選んでいるのかなどのご説明をしてご自分でやっていただくエクササイズを決め、初回評価を終了しました。

それから6日後。

B男さん
翌日の朝はまだ踵が痛かったんですが、その翌朝からは全く痛くなくなったんです!(^-^)

先日の来院翌朝までは少し踵の痛みがあったのですが、2日目からは朝起きたときの痛みが完全になくなってしまったようです。

このようにエクササイズを開始した直後にははっきりとした変化がない場合も、数日続けるうちに効果が出ることは少なくありません。
左膝の痛みについては数日かけて良くなってきた感じで、現在はなんともありません。

佛坂
踵が痛いと言っている方で腰に関連した痛みのことは珍しくないんです
B男さん
ネットで調べたら足底腱膜炎とか書いてあって…
佛坂
そうなんですよ。整形外科にかかってもそう診断されている人がとても多いんです。そのことを知ってもらうためにブログでも紹介してるんですよ
B男さん
踵の痛い女性の話読んで、ああ、これやん!と思いました(^-^)

すでに当クリニックから発信しているブログを検索して読んでいただいたようです。

今回、半年以上続いているという左踵の痛みに、最近では右踵にも少し痛みを覚えるようになり、さらに数日前から左膝の症状も……と徐々に痛みの場所が増えていくということから受診されたのですが、マッケンジー法により評価した結果は、結局腰椎の伸展により全ての症状が消失してしまいました。

同じ伸展方向であっても、どのように負荷をかけるのが良いのか、どのようなバリエーションを使うのが良いのか……。
これまでブログを読んでいただいている皆さんにも、あれっ、この前はこうしたのに、今回はやらないの?とか、今回はなんで寝てやるの?など、不思議に思えることがきっとあるでしょう。
セラピストがどのように負荷のかけ方を決めるのか……それはある症状を持った患者を評価するときに、「負荷に対してどのような反応が出るのか」を注意深く観察して決めているのです。

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