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糸島こどもとおとなのクリニック

マッケンジー法・症例ファイル

case_22 腰痛、左第2〜5趾しびれ

投稿日:2017年4月19日 更新日:

腰痛、10年以上続いている左第2〜5趾しびれ

糸島こどもとおとなのクリニックから不定期にお届けするマッケンジー法の症例ファイル。

本日は60代後半の女性、腰痛と左足趾のしびれを主訴に来院された患者さんです。

診察室に入っていただく時にはさほど歩き方が悪い印象ではなかったのですが、猫背で姿勢が悪いのがわかります。
聞くと、30歳ころに腰痛を覚えた頃から自分では椎間板ヘルニアだと考えていたそうです。
10年以上前に左足趾のしびれを覚えるようになり、整形外科にかかってレントゲンを撮ってもらって、腰椎椎間板ヘルニアと言われたようです……レントゲンで椎間板ヘルニアが診断できると思えませんから、おそらくその可能性を指摘されたのでしょう。

日頃、椅子に座る生活が多く、草取りなどよくなさるようです。

寝ていても立っていても一日中左足趾のしびれは変わったことがないとのことで、このしびれは一つのベースラインに使えそうです。このしびれを10/10とします。それとしっかり立ってしまうと腰痛はゼロになるようですが、前屈などの動作で動きの途中で痛みが出るようです。程度は軽く、はっきりしませんが、一応意識して診察します。

整形外科ですから一応レントゲンも撮影します。以前もお話したことがありますが、レントゲン撮影は絶対ではありません。ただ、高度の骨粗鬆症や腫瘍の骨転移などレッドフラグ(禁忌)を排除できるメリットは大きいため、撮影させていただいています。変性、すべりと軽度不安定性などありますが、今回もレッドフラグなしです。

立っていただいてもやはり少し腰が引けてる感じでしたが、自宅で座るように椅子に座っていただくと腰が丸くなってる感じで座位姿勢も不良です。

仰臥位で寝ていただきます。これは変化なし。膝立でも変化なし。しびれは10/10のままですね。
膝を思いっきり抱え込んでいただくと、腰痛がでます。戻るときも痛みがあるようです。

今度はうつ伏せでじっと休んでいただきます。これは足のしびれに変化なし。
次にpuppy positionをとっていただき、1分ほど持続していただきお尋ねすると……足趾のしびれは3/10に改善しているとのこと……来ましたね!(^-^)

EIL(腹臥位での腰椎伸展動作)をしていただくと、腰痛が出ますが、戻ると元通り、しびれは変化なし(produce 腰痛 → not worse)です。

70歳近い女性ですから、まずは控えめにEIL反復5回……にしておきますw
すると……反復とともに腰痛は軽減している事を自覚されました。
しびれは1/10まで改善しています(^-^)

さて、座位をとってもらい、腰椎の前弯を保った座位姿勢をキープしていただきます。さきほどよりは少ししびれがまた戻ったかなという感じですが、2/10くらいでキープできています。
そのまましばらくお話していると、「こんなにへそを前に出してはいけないと思っていました」と打ち明けられます。どこで得られた知識なのか不明なのですが、腰を反らし過ぎてはダメだという思い込みがあったようですね。

しばらくすると、自分で足趾を動かしながら、左足趾の開きが良くなった事を自覚されました(^-^)

「腰椎椎間板ヘルニア」という診断名に縛られ10年以上、寝ても起きても変わらなかったと言われる足のしびれが30分としない間に改善したという事実をご本人に再認識していただき、病名がどうだということよりも、症状を改善することができるかどうかの方がより重要だという事を意識していただけたようです。姿勢指導と腰椎伸展エクササイズなどを宿題にして注意点などご説明し、数日後にもう一度来ていただくことにして初回セッション終了です。

「歳のせい」とか「病名が……」とかいう考えから患者さんを開放することもまた、マッケンジー法を通して患者さんに提供できる重要な治療の一つなんです(^-^)

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