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糸島こどもとおとなのクリニック

マッケンジー法・症例ファイル

case_32 左踵痛

投稿日:2017年6月15日 更新日:

左踵痛…5年ほど前から時々あるという左踵の軽い痛み

糸島こどもとおとなのクリニックから不定期にお届けするマッケンジー法の症例ファイル。前話に続き左踵痛を主訴に来院された50代女性の症例をご紹介します。

15年ほど介護職をしておられ、5年ほど前から時々軽い左踵の痛みを覚えていたとのことですが、症状がさして気にならないため放置しておられたようです。
10日ほど前より誘因無く左踵痛が出現し、今回は痛みが強いため来院されました。
歩き始めが特に痛いようですが、正座をしていても痛みがあります。
右の踵の痛いところをみると踵のやや内側よりの比較的限局した部位に強い圧痛部があります。

単純X線線検査では踵骨棘(骨の棘のようなでっぱり)などの異常所見はありません。

前回同様、ベースラインを確認した後、やはり腰から診察します。

レッドフラグは特にありません。

立位での屈曲はやわらかく指が床に届きます。伸展も明らかな制限は無いようです。側方の動きは制限ありませんが、いずれの方向にも軽度の腰痛があります。

姿勢矯正保持は特に変化なし。

ここで再び立っていただき左踵の痛みを確認します。立位での左踵痛はVAS 3/10、歩行時の左踵痛VAS 5/10が出ましたのでこれらをベースラインにします。

病歴から臥位での伸展をファーストチョイスにしました。
うつ伏せになっていただき、まずは腰椎の伸展を1回。もとに戻っていただき、症状に問題がない事を確認します。(EIL NE)
比較的お元気な方ですので、伸展運動を10回続けていただき、立っていただき、歩いていただくと踵に響く痛みが3/10程度に改善しているようです(^-^)(反復EIL 10回 better 歩行時痛 3/10)

中年女性ですが、介護職で体力はありそうですので、さらに10回、今度は負荷を少し上げてやってみます。そして再び立って歩いていただき、左踵の痛みがどうかとお伺いすると……先ほどよりさらに気にならなくなり1/10まで下がりました(^-^)(反復EIL 10回 w/sag better 歩行時痛 1/10)

その翌日、翌々日とフォローしましたが、簡単にまとめると、日中はあまりできないため少し痛かったようで、職場でもやりやすいように立位での伸展エクササイズを指導、その翌日フォローすると立位での伸展ではあまりはっきりとした効果が出なかったようです。立位と腹臥位の両方のエクササイズの効果を再度確認したところ、立位での反復伸展5回で左踵痛は5/10→4/10、腹臥位での伸展(EIL w/sag)5回で疼痛は4/10→1/10とやはり激減することが確認でき、できるだけ臥位でのエクササイズをする方針となりました。

同様の症状で、足底腱膜炎と診断された方もあるかもしれません。今回の症例、もし単純X線写真の所見で少しでも骨棘が認められていたら…実際の疼痛にはなんの関係もなかったとして…さて、どんな診断になっていたでしょうか……。

というわけで今回もまた腰でしたね(^-^)
さて、実はまだまだ踵の症例が続くのですが……あまり踵ばかりでもなんですので、次回は別の部位からご紹介いたします。

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