福岡・糸島の整形外科・小児科・児童精神科・歯科・リハビリ科

糸島こどもとおとなのクリニック

マッケンジー法・症例ファイル

case_33 右膝痛

投稿日:2017年6月21日 更新日:

右膝痛、左足をくじいて、その左足をかばって歩いたからでしょうか?

糸島こどもとおとなのクリニックから不定期にお届けするマッケンジー法の症例ファイル。本日は50代男性、右膝痛の患者さんです。

主訴は右膝痛なのですが、10年来の腰痛もあります。4月末に左足をくじいて、その左足をかばって歩いているうちに、だんだんと右膝が痛くなってきたとのこと。確かに怪我をした足と反対側のどこかが痛くなるというのはよく経験されますね。

既往歴として、糖尿病、心臓病、肝臓移植を受けておられますが、MDT禁忌となるレッドフラグはありません。

右膝には腫張・熱感などありません。屈曲伸展をしていただきますが、可動域は正常で、特に運動時痛もありません。
右膝蓋骨内側遠位、関節裂隙よりやや近位部に比較的局在する圧痛部が明確にあります。大腿骨内顆部の遠位端あたりでしょうか。

右膝レントゲン撮影では異常はありません。

右膝内側のVAS 7/10の圧痛をベースラインとして評価を開始します。

膝の症状ですからマッケンジー法でのルールは腰の評価からですね!

腰の可動域検査中、伸展を行った時、重度制限があり、と同時に右膝後面にビリッと来る疼痛を訴えられました。
もどったら元通りです。

右膝内側の痛みが主訴で、腰の伸展で右膝の後ろ側に痛みが走る……なんかまたまた腰の予感がしてきましたねw

まずは診察台の上に仰向けになっていただき、膝を抱え込んでしばらく休んでいただきます。1分ほどして再びベッドの端に座っていただいて右膝の圧痛部を自分で再度確認していただくと、おっ、痛みが軽くなっています!

そのまま今度は座ったまましっかりと屈曲して自分で負荷をしっかりかけていただく動作を5回。
圧痛をお伺いすると……驚いたような顔つきで「痛くないです!」と(^-^)

座位での屈曲をメインに指導を行い、初回セッション終了。

さて、その翌日。

もう痛みは全くありませんとにこにこ顔です(^-^)
エクササイズについてお伺いしたところ、昨日から2時間おきに実施できたようで、以後、右膝の痛みは全く出なかったとのこと。

そして、面白い報告が。

両足が地に着いている感じがはっきりわかるようになって、その感じは大げさかもしれないけれど小学校以来かもしれないと思えるくらい久しぶりだとのこと!とてもうれしそうにお話されます(^-^)

維持できていることが確認できるまでエクササイズを継続していただくことにして第2回目の診察終了です。

さて、数日後の第3回目……おやっ、少し表情が曇っているような……。

また痛みが前と同じくらいぶり返しています。
昨日前かがみの作業を数時間続けた後、右足を固いものに着くときに右膝内側にビリっとする痛みが出るようになったとのこと。

最初劇的に良くなったものが、その後また悪くなる……こんな時にはどこに原因があるのか確認します。
お約束のエクササイズは比較的しっかりできていたようで、実際にやっていただくと、座った状態での屈曲はかなり柔なくなっているのがわかります。もちろんエンドレンジまで動かせてる感じですね。

ただ、昨日は前かがみで長時間作業をした後に症状がでたとのことで、方向性が違っている可能性を考え、念のため再び屈曲・伸展をチェック。伸展で初診時にあった右膝に響く痛みは出ません。さらに伏臥位でpuppy position(うつ伏せで肘をついて上半身をすこし持ち上げた状態)を持続して様子を見ます。すると、30秒ほどして右膝にじわじわと痛みがでてきたため中止。

う〜ん、やはり屈曲?

他に変わった運動などしておられないかと、よくお伺いすると、実は腰を伸ばすストレッチも家でやっていたとのこと……やるべきエクササイズを説明して安心していると、逆のストレッチをいつの間にかやってるパターン(^_^;)

再び立位で右足を硬いものについたときの痛みベースライン確認後、座位での屈曲ベッドの端に浅めに座って脚をひろげて、さらにしっかりと腰椎を屈曲し、息を吐いてさらに深く曲げて起こす動作を5回。

さきほどの膝の痛みを確認していただくと、私の顔を見ながら「全く痛くないです!(@_@;)」と。

荷物運びのときにもよく痛くなるとのことで、おそらく重いものを抱える時にすこし腰が伸展位になっているのでは無いかと思われ、抱え作業の前後でしっかりとメンテしていただくようにお話し、第3回目のセッション終了しました。

症状が劇的に良くなった後に再び増悪したとき、その原因がどこにあるのか……
その原因を探る際にも丁寧に問診を重ねる事がいかに大切なのかを再認識できた症例でした。

-マッケンジー法・症例ファイル

Copyright© 糸島こどもとおとなのクリニック , 2019 All Rights Reserved.