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糸島こどもとおとなのクリニック

マッケンジー法・症例ファイル

case_35 右肩痛

投稿日:2017年7月5日 更新日:

右肩痛…五十肩でしょうか? マッケンジー法で評価した結果は…

糸島こどもとおとなのクリニックから不定期にお届けするマッケンジー法の症例ファイル。本日は右肩痛を主訴に来院された50代女性の患者さんです。

趣味はバレーボールで週2回、各2時間ほど楽しまれるようです。1〜2年ほど前からこれといった外傷などの記憶はなく右肩痛を覚える様になったとのこと。バレーボールでアタックするときなどに特に痛かったようです。
一昨日ソファに右を下にして横になっていて起きたときに右肩が痛くなっていたため来院されました。
美容師さんで一日5時間ほど立ちっぱなしで仕事をされます。

座った姿勢を観察すると、やや頭が前に出ています(protruded head+) 単純X線写真では頚椎にはストレートネック、変性所見などを認めますが、右肩には異常所見はありません。
Red flag無しですので、MDTによる評価を続けます。

主訴は右肩痛ですが、さてマッケンジー法での診察は……そう頚椎から見るんでしたね!

まずは頚椎ROMを確認します。頭を後に引く動作で右頚部痛(RET produce 右頚部痛 VAS 3/10 NW)、伸展は重度制限があり、同様に疼痛があります(EXT produce 右頚部痛 VAS 3/10 NW)。 座位でじっとしているときには右肩痛1/10、前方挙上では途中に耐え難い痛みが(PDM 10/10)、外転は90°でやはり強い痛みがあります(ERP 10/10)。
伸展可動域制限、疼痛はありません。

さて、この肩の可動域制限と痛み方をみると、肩をもっと評価したくなりますよね……でも、やはり頚椎ファーストですw
姿勢を整えた上で、頭を後に引く動作を5回行うと、前方挙上と外転時の疼痛は3/10に減少(RET w/op 5回 better、前方挙上時痛、外転時痛 7/10)。
さらに伸展までいれて5回、今度の改善はごくわずかで、まだ肘を曲げ肩関節内旋位での外転は10/10と激痛です(^_^;)

はじめての割にはうまく出来ている方なのですが、伸展がまだ甘いような印象で、「もっと、もっと、もうこれ以上無理〜……っていうくらいまでしっかり!」と声をかけながら再度5回。
そして再び右肩を動かしてみると前方挙上、外転時痛 3/10まで改善し、先ほど激痛だった内旋位での外転も10/10→7/10と我慢できるくらいの痛みに改善しています(^-^)
(RET+EXT w/op 5回 end range意識して better 前方挙上時痛、外転時痛 3/10、内旋位での外転7/10)

ご本人に姿勢と今回のエクササイズをご説明し、エクササイズが何セットくらい出来そうかとおたずねしたところ、10セットはできそうと宣言されました!
というわけで、翌日その結果がどうなっているかを確認させていただくことに。

そしてその翌日……
エクササイズはお約束通り10セットほど出来たようです。
痛みについてお伺いすると、

「もう痛くないです!(^-^)」

と嬉しそうでもあり、恥ずかしそうでもありという表情w

「やっぱり姿勢だったのかと思うと恥ずかしくて……」とおっしゃいますw

もう全く痛くないとぐるぐると手を回して見せられます(^-^)

この50代、比較的急性に発症した右肩の疼痛と可動域制限をみて、おそらく多くの方々は「五十肩」などの病名が頭に浮かんだのではないでしょうか。

しかしながら評価の結果はまたまた頚椎が原因でしたね!

今回は1日のエクササイズで症状としては完治に至りましたが、今後の維持・予防についてお話しをさせていただき、終了いたしました。

画像所見、理学所見がどうであれ、結局のところ「実際に動かしてメカニカルな評価をしてみないと何とも言えない」という事でしょうか。

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