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糸島こどもとおとなのクリニック

マッケンジー法・症例ファイル

case_36 右膝痛

投稿日:2017年7月19日 更新日:

階段の昇り降り、クルマに乗るときに感じる右膝痛

糸島こどもとおとなのクリニックから不定期にお届けするマッケンジー法の症例ファイル。本日は60代女性、右膝痛の患者さんです。

2週間ほど前から、誘因なく右膝痛を覚えられたようです。階段の昇り降り、クルマに乗るときに痛みがありますが、平地歩行など問題ないようです。階段で膝が痛いというお話はよく聞きますが、クルマに乗る時というタイミングをはっきりとおっしゃる患者さんは珍しいですね。

平地歩行ではなんともないようで、いまこの診察室で歩いていただいても右膝の疼痛は無いようです。このような症状の無い状態でお見えになった患者さんに対するアプローチは少々難しいというのが本音です。

というのも、マッケンジー法ではメカニカルな評価をするビフォー・アフターでどのように症状が変化するのかを手がかりに評価を進めるので、症状のない状態はどの方向に動かすのか決めるのが少々難しいのです。

何か症状が出ないかとあれこれやっていただきますが、なかなか症状が出ません。これは本来喜ぶべき状態ですが、マッケンジー法で評価する立場としては辛い状態(^_^;)
さらに中高年で無理な負荷をかけて症状を出すのに成功しても、初診で人間関係を築けていない時点では信頼関係を損ないかねません。

少しずつ負荷をかけてみて、最終的に右片足立ちで少ししゃがんで膝を曲げ伸ばしする時のVASにして1/10の違和感をベースラインとして評価をスタートします。
病歴と症状の出方から、まずは伸展方向がDP(directional preference:その人に適した動かすべき方向のようなものです)であろうと考え、うつ伏せから評価します。これについては何ら変化がありません。

puppy positionを試みます。その他の問診をしながら1分ほどしたころ、「痛っ、痛っっっっ……」急に声を出されたのでお尋ねすると、いつもの右膝の痛みが出たようです。問診情報からは腰を曲げる時に症状が出るような印象だったので、これは正直なところ、予測に反していました(^_^;)
再びうつ伏せの状態に戻っていただき、しばらくすると右膝の痛みは再び治まります。

ということは……逆に攻めてみます。

座って腰を曲げる負荷をかけてみますが、その後に立っていただきベースラインの変化を確認しますが、これはあまりはっきりした変化がありません。(FISitting 5回 NE) さらに5回、今度は少し負荷を増やしてやってみます。再びベースラインの変化を確認すると、今度は先ほどまでの右膝の違和感は少し軽減していると言われます。(FISitting w/op self 5回 better 膝の違和感軽減)

今回はベースラインの疼痛が軽いため改善のスケールが取りにくいのですが、伸展では症状が再現され、屈曲では少し良いような印象なので、とりあえず、次回まで実施するエクササイズを屈曲方向に決めます。注意点などご説明し初回セッション終了です。(FISitting w/op self 5回/セットでできるだけ)

そして3日後……

症状の変化についてお伺いすると、あまり変化はないとのことです(^_^;)

エクササイズはとお伺いしてみたところ、一日10セットくらいできたとのこと。文句なしの回数です(^_^;)

そこで、具体的に階段と車に乗る時どうだったかとお伺いしてみたところ、階段では気をつけているので痛くなかったし、クルマに乗るときもそう言われてみると痛くなかったようですw
実は当院に来院されてから以降、右膝痛らしいい右膝痛は一回も出ていない様子(^-^)

まだご本人は半信半疑ですが、今回もどうやら腰のようですね。

マッケンジー法ではその人の生活状況がわかるような詳しい問診を行い、その情報から検査の手順など考えますが、今回のような予測に反したことが起こったとしても焦ること無く検査をすすめて行ける、安定した評価システムと言えます。

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