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糸島こどもとおとなのクリニック

マッケンジー法・症例ファイル

case_39 右上腕の痛み

投稿日:2017年7月29日 更新日:

包丁を使っていると痛くなるという右上腕の痛み

糸島こどもとおとなのクリニックから不定期にお届けするマッケンジー法の症例ファイル。今日は右肩から上腕の痛みがあって包丁が使えないという70代・女性の患者さんのご紹介です。

1年ほど前、掃き掃除の後に右肩が痛くなって右腕が動かせなくなり、ある手術のできる病院にかかってMRI検査を受け、腱板断裂があり、手術をしないと治らないと言われたようです。
でも、手術はいやだったので、自分で頑張って動かす練習をして、そのうち右肩の痛みは良くなり現在は腕もあげられるようになっていると挙上して見せられます。腱板断裂後に見られる完全挙上ができない状態ではありますが、左右差なく、ご本人も挙上の程度に問題を感じておられません。

さて、半年ほど前から、右腕のつけねあたりから上腕内側の痛みがあり、包丁を使っていると右上腕の痛みが強くなり包丁が使えなくなり困っているとのこと。そのような時は右肘をついて休憩すると少し軽快し、手を下げているとなんともないようです。

日常生活では退職後、20年ほど、リクライニングの椅子にもたれてテレビをみるような生活をなさっているようです。
このあたりもこれまでご紹介してきた記事をご覧頂いた皆様にはピンとくるあたりでしょうか。
単純X線検査では頚椎に変性所見を認め、ややストレート。右肩関節には特に異常はありません。 レッドフラグなし。
じっと座っているときの5/10の右上腕内側痛をベースラインとして評価スタート。
座位姿勢は悪く、猫背で頭が前に出ています。(Protruded head+) 姿勢を矯正して保持すること1分。症状をお伺いすると…

A子さん
ありません

佛坂
ゼロですか?

(左手で右腕を触って確認しながら)
A子さん
…です、今は感じませんね…

続けて頚椎の可動域検査をします。
伸展が重度制限されていて、例の右上腕に響くことが確認できました。

どうやら頚椎由来の症状で間違いなさそうです。

さて、ここからどう攻めていくか……

伸展は重度の制限があり、右上腕に症状がでます。

まず、頭を後ろに引く動作をチェックし症状の増悪がないことを確認し、さらにご自分で押し込む力を加えた反復をやってみましたが、特に症状は良くも悪くもありません。(RET w/op self 5回 NE)

今後の方向性が見えているときに安全性を確認する意味合いが強いので、症状の変化がなくてもあまり気にしません。
初日の課題として姿勢とエクササイズのご説明をし、初回評価終了です。

そしてその翌日。

症状が良いか、悪いか、変わらないかとお伺いしてみると、

A子さん
だいぶ良いです!(^-^)

と答えが返ってきました!

佛坂
どこがどう良くなった感じがしますか?

A子さん
包丁が普通に使えました。昨日、先生に少し首の動かし方を習っただけなのに…

と嬉しそうです。

でも、実はそれだけではなかったんです。リクライニングの椅子に腰掛けるときにだらりとならないように意識して腰掛けて、良い姿勢を意識していたようです。 エクササイズはというと、3回ほどしかしていないとのこと。やはり姿勢は強力ですね!

今現在も多少痛みはあるけれど、包丁を使っていても肘をついて休むこともなかったようで、ほとんど気にならないレベルになっているようです。

佛坂
もし、また痛くなったらどうしますか?

(姿勢と頭を動かす動作をしながら)
A子さん
またこうやって…

佛坂
そうですね!(^-^)

今回の初診時におうかがいした一番の問題は包丁が使えないことだったので、ある意味問題はすでに解決していますね! しかも、症状を良くするために、自分のやるべきことがとても良く納得できて前向きになっていると言われます。
一日にしてセルフマネジメントまでできている頭の柔らかさ。若さは実年齢ではない事を改めて感じることができました。

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