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糸島こどもとおとなのクリニック

マッケンジー法・症例ファイル

case_40 右下腿痛

投稿日:2017年7月31日 更新日:

最近走り始めて起こってきた右下腿痛。単なる筋肉痛の他、疲労骨折、シンスプリントなどが思い浮かびますが……

糸島こどもとおとなのクリニックから不定期にお届けするマッケンジー法の症例ファイル。本日は右脛(スネ)の痛みを主訴に来院された30代女性の患者さんです。

えっ?スネ……ですか?と思われた方もいらっしゃるかも知れませんので、ご説明を加えさせていただきますと、マッケンジー法は一般に知られているより守備範囲は広く、腰椎・頚椎の問題だけでなく、肩こりはもちろんのこと、肘、手、指、股、膝、足くび、足趾まで普通に評価します。

マラソン大会に向けて3週ほど前から1日2kmほどからスタートし、徐々に距離をのばしていき、昨日までは平日でも5kmほど走っておられたとてもお元気な女性です。が、昨日は2kmほど走ったあたりで、右スネのあたりが痛くなり歩いて帰ったようです。痛くなった部位をよくお伺いすると、正確には右下腿近位前外側、前脛骨筋の近位1/3あたりになります。今日になってもしゃがみ込みなど痛くて出来ないため来院されました。

お仕事では車を運転して移動する時間が長く、トータルで一日5時間くらいは運転しておられます。

念のため右下腿の単純X線写真も確認しますが、特に異常所見はありません。

レッドフラグもなく、メカニカルな評価を開始します……もちろん腰からですね!

可動域検査をしていると、腰を右に動かしたとき、腰を痛がられました(左SGでVAS 7/10 腰痛+)ので、腰痛についてお伺いしてみたところ、以前から腰痛ももっているけれど、今回は特に腰は痛くなかったとおっしゃいます。
さらにしゃがみ込みで5/10の右下腿外側痛を生じることが再現性のあるベースラインとしてとれましたので、評価を開始します。問診情報から伸展方向からの評価でよいでしょう。
もともと1日5kmほど走っていたようなお元気でお若い方ですので、臥位での腰椎伸展から開始します。

うつぶせに寝た状態では特に変化はありません。

さて、手のつき方などをご説明し、伸展運動を10回していただきます。
最初は腰が痛かったようですが、徐々に痛みは気にならなくなっていきました。

再び立っていただきます。

そしてしゃがんでみると……先ほどのベースラインでとれた5/10の疼痛は3/10に減少しています(^-^)
そしてもう一つ、腰を横に動かすときの疼痛を確認すると、こちらも7/10から3-4/10に軽減しています(^-^)
(EIL 10回 しゃがみ込み右下腿痛better 5/10→3/10、左SGの疼痛 better 3-4/10)

お若いのでさらに負荷をあげて10回。
今度は右下腿の疼痛は2/10とわずかな改善にとどまりましたが、腰を横に動かしたときの痛みはほとんど気にならないレベルに改善しています。
(EIL w/sag 10回 better 3/10→1-2/10、左SG better)
注意点などご説明して、エクササイズなどやるべき事を再確認し、初日は終了です。

さて、その翌日。

症状についてお伺いすると、迷わず「とてもいいです!(^-^)」という答えが返ってきました。

現在も少しだけ違和感は残っていますが、すでに疼痛が軽くなったため、3kmほど走ってなんともなかったようです。

エクササイズは数セットしかやっていませんが、もう治癒と言ってもよい状態ですね!(^-^)

しかし、車を長時間運転されるお仕事のため、良くなった後も、朝夕のエクササイズは継続することをおすすめしました。

なかなか当たらない福岡マラソンの切符を手にしておられますので、これからも好きなだけ走って大会に臨んでいただきたいですね!

いかがでしたか?

部位や病歴からは前脛骨筋の疲労による疼痛、疲労骨折、シンスプリントなどが思い浮かんだと思いますが、その評価の結果はまたしても「腰」でしたね!もちろん鎮痛剤も使わず腰のエクササイズのみで1日で治癒したわけですから、筋肉痛や疲労骨折、シンスプリントなどでは説明が付かないでしょう。

四肢の症状であっても脊椎から評価する……いつかそれがどの病院・治療院にかかっても当たり前の評価手順になるように今後も分かりやすい症例をご紹介していきたいと思います。

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