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マッケンジー法・症例ファイル

case_43 右母指〜中指のしびれ、首のこり

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右母指〜中指のしびれ、手根管症候群のようにも見えますが…

右母指〜中指のしびれ、首のこりを主訴に来院された40代女性の初診から診察終了まで49日間のお話です。

1ヶ月ほど前、お風呂の湯船で歯磨きをしていて右母指にピリッとした痛みを覚え歯ブラシを落とし、それ以後、右母指のしびれをときに覚えるようになり、徐々に示指、中指と広がってきたため怖くなり来院されました。少し変わった病歴ですね。

しびれの範囲は手根管症候群でも合わないことはないのですが、もちろん頚椎の評価から入ります。
今回は卒業までの49日間なので少し飛ばしますねw

初回評価時は症状なしの状態でおいでになりましたので、どうやったら症状が出るのか頚椎の動きを見ながら確認しました。
単純X線写真ではストレートネックで、C5/6/7変性を認めますが不安定性はありません。
初回の評価結果はどちらかと言うと伸展が良さそうですが、明確な良い方向が見いだせませんでしたのでotherという分類になります。
(PRO produce NW、RET produce NW PROより軽い、RET+EXT NE、RET+EXT w/op NE、直後に続けてPROでの症状確認すると同等にproduce NW)

このような場合、良くなるか悪くなるかわからない事を説明した上で、一つだけ宿題を出します。
頚椎の伸展をエクササイズに決めました。
(RET+EXT w/op 5回 1セットでできるだけ)

翌日、第1回目のフォローアップ。
しびれの範囲は変わらないものの、ビリっとくる感じはなかったようです。エクササイズメニューはそのままにします。

初診から6日目。
しびれの範囲が少し指先の狭い範囲になってきたとのこと。実はこのような症状の変化は回復傾向のときにしばしば経験されます。
エクササイズをやっていただいてチェックし、エンドレンジ(できるだけの範囲)を意識していただくようにアドバイス。

初診より13日目。
しびれの範囲は母指はなくなり、右示指・中指指尖部だけになってきて、逆にしびれ感は強く感じるようです。
このあたりになると、分類はderangement(比較的早い時期に良い反応が見られるタイプ)寄りになってきました。
エクササイズをチェックすると、顔の引き具合がやや甘いようです。
そこで、良い方向をはっきりさせる目的もあり、私自身が手を貸して負荷を上げてみます。
(反復RET w/op セラピストによる)

続けて再びご自分でいつもやっているエクササイズを5回やっていただくと、しびれ感は消失しました(^-^)
(RET+EXT w/op 5回 右示指・中指しびれ感 abolish)

というわけで、さらにしっかりと自分で負荷を上げる事を意識したエクササイズをしていただくことにしました。

初診より20日目、手指のしびれについてはあまり変化はありませんが、かなり前からある腰痛について新たにご相談。
伸展するとき、横に腰を動かすときにかなり強い腰痛があります。
(伸展 VAS 8/10、左SG VAS 5/10の腰痛+)
こちらも詳細は割愛しますが、負荷を上げた臥位での伸展で立位での伸展での疼痛は半分以下になりました。
(EIL w/sag 5回 decreased VAS 3-4/10)
伸展のエクササイズを新たに処方して経過観察することに。

初診より1ヶ月、腰痛初診より11日目。
右示指がまだしびれるが中指はだいぶ良い感じになっています(^-^)
腰痛もエクササイズをして掃除機かけなどでまだ気になるものの、だいぶ良いようです。
頚椎と腰椎のエクササイズ、がんばっていただいていますね!
(#1 RET+opをしっかりした後にRET+EXT w/op 5回、#2 EIL w/sag 5〜10回/セットでできるだけ)

そして、初診から49日目。
すでにいつからか中指は痺れなくなり、示指の指尖部のみに時にピリピリするくらいで、全く痺れないときが出てきたと笑顔で嬉しそうにお話されます。
そのピリピリの頻度も明らかに少なくなっているようですし、右示指のピリピリや腰が少し痛いと思ったときにはすぐにエクササイズを実施して症状はその場で無くなる程度です。

まだ症状は完治しているとは言えませんが、今は症状が起こっても自分でどうしたらよいのかわかっているので何も不安がないとのことで、すでにセルフマネジメントできていると言えますので、治療を終了しました。

症状が残っていることが気になる方もあるでしょうか。症状がゼロになるのがゴールとすればゴールとは言えませんよね。

マッケンジー法では症状が完全になくなることをゴールにしているのではなく、患者さんが症状に対してなんの不安もなく自分の意志で自由に動けるように自立することをゴールにしているのです。

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