福岡・糸島の整形外科・小児科・児童精神科・歯科・リハビリ科

糸島こどもとおとなのクリニック

マッケンジー法・症例ファイル

case_51 右手関節痛

投稿日:

手首が痛いのですが…手関節痛の原因はどこにあるのでしょうか?

先日、東京でマッケンジー法を大変熱心に実践しておられるお友達が、一見するとほとんど同じ手関節痛を主訴にした二人の患者さんをマッケンジー法で評価した結果、全く異なる経過を辿ったという報告をしておられました。
というわけで、今回ご紹介するのは70代女性、右手関節痛の患者さんです。さて、どのような経過を辿るのでしょうか……。

これまで当クリニックのマッケンジー法・症例ファイルを読んでいただいていた皆さんには、もう何の解説も要らないかも知れませんが、手関節の痛みであってもマッケンジー法で評価します(^-^)

さて、2週間ほど前のこと、特に捻ったり、打ったりした覚えもないのに、ふと右手を着いたときに、手首が痛いと感じたようです。
ただ、自分の左手でどこが痛いか当たってみると、その時々で少し場所が違うような気がするとのこと……このあたりでピンと来たら、あなたもマッケンジー法通ですね!

整形外科ですから、頚椎のレントゲン撮影も行いました。C4/5に軽度辷りがあり、辷りは後屈で整復される事が確認されますが、メカニカルな評価に問題があるような所見はありません。
いちおう付け加えておきますが、右手関節は異常所見なく、他のレッドフラグもありません。

さてどこが痛いかと診察すると、ここかな?ここかな?と自分で押していただき、あっ、ここ、と教えていただいた場所は、おおよそ手関節背側、ちょうど月状骨(手首の小さな骨の一つです)あたりです。
右手関節を自分で曲げていただくと、VAS 6/10の疼痛が再現できましたので、これをベースラインに評価をしてみます。

まず、姿勢が悪いので、姿勢矯正保持を2分ほどしてみます。が、これは手関節痛に明かな影響はないようです。
あえて「明らかな」と表現したのは、ちょっと違うかな?という様子が見て取れたのですが、お伺いするとはっきりとは違わないというニュアンスです。

頚椎のROMをチェックし、手関節を含め放散痛なども無いことを確認できました。
運動については明かな悪影響はないので、あごを引いた状態から伸展までしっかりと5回やっていただきます。
そして右手関節を曲げていただくと……あれっ、痛みは明らかに半減したとのこと(^-^)
(RET+EXT 5回, better 手関節屈曲時痛 6/10→3/10)

さて、痛みが半減はしましたが、これだけで良かった〜……と喜んではいられません!
マッケンジー法ではある動きで症状が改善しても、その症状改善が持続するのか、またその動き(メカニカルな刺激)を行うと、一貫して良くなるのかなど、その後どうなるのかさらに見る必要があります。

その翌日、最初のフォローアップです。
首の後ろの方が凝ったように痛くなったとのことですが、これはよく経験される事で、エクササイズをそれなりに頑張っておられる証拠ととらえます。
痛みについては、まだ手をついたらVAS 5/10と痛いようです。初診時は手をつかないで手首を曲げるだけでVAS 6/10の痛みがありましたから、若干改善しているように見えますね。
その場でエクササイズを5回、疼痛はVAS 3/10に軽減します。
(RET+EXT 5回 better)

引き続きエクササイズを頑張っていただき、初診から3日目のフォローアップ。
エクササイズで後頚部痛がでるので、昨日はあまり出来なかったとのこと。
右手関節の背屈時の疼痛は3/10で、ベースラインの疼痛は軽減しています。
頚部痛はいずれよくなる事をご説明してさらに頑張っていただきます。

そして初診から2週間目。症状をおたずねすると、右手関節の痛みはちょっぴり残っているがほとんど良くなったと言われます。
手関節を背屈するだけでは疼痛がでませんので、さらに手を机についてもらい荷重してVAS 1-2/10を本日のベースラインとして評価スタート。

いつものエクササイズを、しっかりと最後まで動かすことを意識して5回……。

佛坂
さっきの右手を机に着くのをやってみましょうか(^-^)

A子さん
……、あれっ、痛くない……

こうかな、いや、こうかな……と少し向きを変えながら手をついて確かめられますが、確かに疼痛は消失しています(^-^)
(RET+EXT、エンドレンジを意識して 5回 abolish)

ただ、まだ問題が。

それはまだ手関節の症状の変化と頚椎のエクササイズとの関係が腑に落ちていません。
毎回、なんで?手首が痛いのに、なんで?……がまだ抜けていないのです。

マッケンジー法では最終的に自分の症状に対して自分で管理できる事を目指していますので、仮にまた症状が出ても、こうすれば良いのだという自信をもってもらいたいと考えています。
というわけで、症状的にはほぼ卒業なのですが、もう少しだけお付き合いいただきたいと考えています。

-マッケンジー法・症例ファイル

Copyright© 糸島こどもとおとなのクリニック , 2018 All Rights Reserved.