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糸島こどもとおとなのクリニック

マッケンジー法・症例ファイル

case_62 左腰痛、左膝痛

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お薬、マッサージなどの治療で改善しなかった腰痛と左膝の痛み

糸島こどもとおとなのクリニックからお届けするマッケンジー法症例ファイル。本日は腰の左側と左膝の痛みを主訴に来院された70代後半の女性のお話です。

10日ほど前の朝から誘因無く腰の調子が悪い感じがあったそうで、その日、1時間ほど外で立ちっぱなしでいた後から腰の左側から左膝にかけての痛みを覚えられました。翌日、近くの整形外科に行って鎮痛剤などの処方を受け、治らなかったらMRI検査をと言われていたようですが、痛みが強いためご自分の判断で整骨院に行かれたそうです。そちらでしばらく治療を受けたそうですが、症状が全く改善せず、当院へおいでになりました。

昼間は家事をなさる以外はだいたいテレビを見たりしながら沈み込むようなソファに座っておられることが多いようです。時間はどのくらいかというと…なんと1日10時間ほどにもなることがあるとのこと。このあたり、これまでの症例ファイルも読んでいただいた方ならピンとくるかも…w

この日の左殿部〜左大腿後面と左膝内側の痛みはVAS 8/10(体動時)で、じっとしているとさほど痛みません。
これまでに腰が痛くなったことがあるかとお伺いしたところ、10回以上ぎっくり腰になったことがあるそうです。
レッドフラグはありません。

単純X線写真では年齢相応の変形がありますが、メカニカルな負荷が禁忌となるような高度の骨粗鬆症や不安定性はありません。

腰椎の可動域検査を行います。屈曲は軽度制限ですが、疼痛はVAS 3-4/10。伸展は中等度に制限されていて、VAS 6/10の疼痛があります。左への腰の動きは中等度に制限されていて、左大腿後面痛が誘発されます。

まず、診察台にいつも座るように座っていただきます。
この状態でお伺いすると左殿部痛がVAS 3/10程度あるようで、これも評価のためのベースラインにします。

姿勢矯正保持を行うと、腰痛が誘発されますが、戻ると元のレベルに落ち着きます。
(produce 腰痛 NW)

姿勢矯正保持で腰痛がでましたが、戻ると元通りなので、現時点ではいいとも悪いとも言えません。

今回は屈曲から試してみます。

座った状態での屈曲を反復5回。伸ばすときの腰痛は少し軽減したようだと言われますがはっきりしません。
(FISitting 5回 NE?)

同じ動きを10回。今度は左下腿に痛みが広がった感じがあると言われますが、戻るとまたもとに戻りました。
(FISitting 10回 peripheralizing 左下腿 NW)

これまた黄色信号ではありますが、これからさらに屈曲を強める理由はあまりありませんね。

そこで方向変換し、伸展にいきます。

まずはうつ伏せ。問題ありません。

肘をついて少し上半身を持ち上げてもらう動作の時に、左殿部の痛みが強くなりましたが、そのまま続けていただくと痛みは消失しました。そのまま5分ほど続けます。左殿部痛はありません。

再び座位に戻ってもらい、ベースラインを確認すると、左殿部痛はVAS 1/10に改善しています(^-^)

ご高齢でもありあすので、この日はここまでとします。ソファにはあまりこだわりは無いようですので、テレビは椅子に座ってみていただくことにしました。座り方の指導など行って初回セッション終了です。

その翌日。

左膝の痛みはほとんどなくなって歩けるようになったそうです(^-^)
腰の痛みもだいぶよいとのこと。

うつ伏せで肘をついた状態でいるのは辛かったので、ほとんどできなかったようですが、そのかわり、座る姿勢を意識して、テレビを見る時に椅子の背もたれにクッションをいれて座ることをしっかり守れたようです。

その後、最初の痛みの1割位がとれない状態が数日続きます。さらに伸展方向に肘をつく姿勢は腰が痛くなるようですので、立った状態での腰の伸展運動では痛みが強くなならい事を確認して自宅でのエクササイズにしたのですが、流し台に手をついてささえながらやっても、少し不安があるようでうまく行きません。
よくお伺いしてみると、ご自宅の流し台は少し低くて腰の支える位置がうまくいかないようです。

そこで、台を使わず、立った状態で腰を両手で支えながら反らせる運動をやってみました。
すると、意外にもあまり無理なく上手にできることがわかりました(^-^)

それから数日後。

すっかり良くなった事をわざわざご報告に見えました(^-^)
台を使わずに腰を前に押す感じで腰をそらすエクササイズに変更後によくなったようです(^-^)

佛坂
今後は何が大切だと思いますか?
A子さん
姿勢ですか?
佛坂
その通りです!症状がなくなっても、それだけはこれからも意識してくださいね。体操ももちろんできれば続けていただくといいのですが、いちばん大切なのは姿勢なんです。姿勢を意識した生活をしていても、また症状が出ることがあったら、その時にはまたいらしてくださいね(^-^)

70代後半ということもあり、立った状態での伸展がしやすいようにと流し台で腰を支えるやり方を先に試したのですが、結果として台を使わない普通の腰をそらす運動のほうがやりやすく、また効果があったようです。

マッケンジー法では動かすべき方向を見つけるだけでなく、その患者さんに合うやりかたを見つけることも治療を成功させる要素の一つです。
では症状を改善するために何をしたら良いのかを見つける作業はマッケンジー法を知る私達だけでやれるのでしょうか……
いえ、それは患者さんとのコミュニケーションの上に成り立つ共同作業だと考えています(^-^)

-マッケンジー法・症例ファイル

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