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糸島こどもとおとなのクリニック

マッケンジー法・症例ファイル

case_67 右股関節痛

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歩く時や振り向く時、右股関節に刺すような痛みがあるということですが……

本日は右股関節の痛みで来院された60代女性のお話です。

1年近く前に尻餅、2ヶ月ほど前に転んだことがあるそうです。思い当たることといえばそのくらいのようですが、その後、なんら変わったことはなかったようです。
2週間ほど前から、これといったきっかけも無く右股関節と太ももの前辺りにだるい感じを覚えるようになりました。

歩く時やじっと立っていても右を振り返る時などに右股関節に刺すような痛みが走るようです。
痛みでしゃがみ込みが出来ず、家庭菜園のお仕事ができません。

問診では明らかなレッドフラグなどありません。単純X線検査では腰椎に年齢相応の変形など認めますが、メカニカルな評価が禁忌となるような不安定性はなく、また、股関節は正常です。通常の手順でマッケンジー法による評価を続けます。

まずは姿勢…ありがちなやや猫背になっています。
ご自宅での生活では…ソファにだらりと座る生活のようです。ここ、怪しいところですねw

猫背の姿勢を矯正して保持すること1分。
立ち上がっていただくと、その前に立ち上がった時とくらべて右股関節の痛みが少し軽減しているようです。
(姿勢矯正保持検査 立ち上がり時の右股関節痛 better? VAS 2-3/10→1-2/10)

立ち上がるときの痛み VAS 1-2/10、歩行時 VAS 4-5/10の右股関節痛をベースラインとして評価を続けます。

腰椎のROM検査では腰をほとんど反らすことができません。屈曲や横方向は問題ないようです。
(伸展重度制限)

日常生活の状況と可動域制限の方向などを参考に伸展方向から評価することにしました。

これまで怖くて腰を反らしたことがないとのこと。なぜかというと腰の骨が折れるんじゃないかと心配だったと。
横に寄り添い、流し台の縁で腰を支えた状態でまずはできる範囲で一回。
特に問題のないことを確認し、さらに続けて全部で5回の伸展…痛み無く完了しました(^-^)

佛坂
ちょっと歩いてみましょう
A子さん
あらっ、痛くない…

(EIS 流し台で少しずつ深く 5回 歩行時痛 abolish)

さらに、同じ伸展をさっきよりもっと頑張って5回。
少し右大腿がだるいくらいで、しっかり伸展しても安全である事を確認できました。

腰を伸ばすことが怖いとおっしゃっていたので、このように寄り添いながらしっかりと伸ばしてみて大丈夫なのかを一緒に確認しておきます。
問題ありませんので、注意点などさらに追加ご説明し初回セッションを終了しました。

そして、翌日。

だいぶよいようです(^-^)

昨夜は家に帰ってからエクササイズ5回/セットで2セット頑張れたそうです。

今朝から快調だったかと思いきや、実は午前中、だるいようなきつい感じで、おまけに両殿部の痛みが出てきて悪くなったんじゃないかと心配されたそうです。
ところが、午後になるとかなり楽になり、右股関節の痛みはほとんど感じなくなってまいました。
今現在の症状をお伺いすると、腰と太ももが少し重い感じがするけれど、右股関節の昨日まであった刺すような痛みはもはやありません。

再度、持ち帰っていただいたエクササイズをやっていただきチェックします。

まだ少し怖がっておられますので、横に寄り添い声援を送りつつしっかりと5回エクササイズをしていただきます。

A子さん
こんなにそらして大丈夫かしら…折れるんじゃないかと心配で
佛坂
ご自分のペースでゆっくりでいいので頑張ってくださいね!

すでに症状はだるさ程度ですので、著明な改善はありません。
(EIS 5回 NE)

A子さん
午前中はお尻のあたりが痛くなって大丈夫かと思ってたんですが、午後になってすごく動きやすくなったんです
佛坂
昨日のお話、覚えておられるでしょうか。右股関節の痛みが太もも、膝へと広がったらそのエクササイズは一旦中止、お尻から腰へと上がってきたらそれは大丈夫でしたよね?
A子さん
そうおっしゃってましたね!
佛坂
その後はお尻も痛くなくなったので、大丈夫でしたね!(^-^)
A子さん
それにしても不思議。もう一生このままこの痛みと付き合わないといけないのかと不安に思っていたのに…本当に楽になりました(^-^)

エクササイズを続けていくと、痛みの程度だけではなく、痛い場所がかわることがよくあります。
良い兆候、悪い兆候とは何かということと、その時にどうしたらよいかをご説明しておくとでエクササイズ中に起こる別の部位が痛くなるなどの変化にある程度は心の準備が出来ます。
今回は少し忘れておられたようですが、お話したとおりになっていったことを思い出すことはできますので、治療方針についてより安心していただくことが出来ます。

A子さん
ストレッチとかはやってたほうだと思うんですが、反らしたことはなかったので意外でした
佛坂
日常生活で腰を曲げる生活を送っている人が多いですよね。なのにストレッチって曲げる方のストレッチに偏っていることが多いと思いませんか?

この腰を屈曲する(前屈する)方向に偏った日常生活・運動も様々な症状を作り出す要因と言えるかもしれません。

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