福岡・糸島で新しい小児科・整形外科・児童精神科・歯科・リハビリ科の医療を目指しています

糸島こどもとおとなのクリニック

マッケンジー法・症例ファイル

case_70 両大腿痛

投稿日:

両大腿痛、腰痛で来院されたのですが、現在はほとんど症状がありません

本日は、両大腿痛、腰痛を主訴に来院された60代女性のお話です。といっても、来院時は症状がほとんどありません。
マッケンジー法ではどのようにアプローチしていくのでしょうか。

花栽培の農家をしておられ、しゃがみ込み、片膝の作業が多いそうです。
10年ほど前から腰痛がありました。数ヶ月前から時々、両大腿外側の痛みを自覚するようになりました。
歩く時に足が出しにくい感じがあります。右側を下にしてゴロリとしていると左大腿外側痛強くなるようですが、自転車に乗っているときや、座っている時は全く症状がありません。
お話している間も特に症状はないようです。
このような、来院時にはほとんど症状がない場合がちょっと難しいことは以前お話したことがありますので、覚えておられるかも知れませんね。マッケンジー法ではメカニカルな評価をする前と後の症状比較を行いますので、症状のない方は評価が難しいのです。このような場合は、ちょっと不思議に思われる人もいらっしゃるかとは思いますが、あれこれと動かしてみてどうにか症状が出ないかと探すこともあります。どうしたら悪くなるのかを見つけるのです。

腰椎の単純X線検査では変性側弯を認めます。

レントゲン写真の所見は参考にはしますが、どちらかというとどう変形しているかというより、今からメカニカルな評価をできるかという視点で見ています。
動かして問題になりそうな不安定性や重篤な病理が無いことを確認できました。他の問診事項からもレッドフラグなしです。

座位では症状が無いとのことですが、一応順番に確認していきます。
座位で姿勢を矯正保持していると、左足が浮いたような感じを訴えられましたが、矯正をといて普通に座っていただくとその感覚は速やかに消失しました。
(姿勢矯正保持検査 NEまたはproduce 左足の浮いたような感じ NW)

問診情報と姿勢保持検査の結果から、屈曲方向を先に確認することにします。
座位で深い屈曲を一度行い、問題がないことを確認し、さらに反復してみます。特に変化はありません。
(FISitting NE、反復FISitting NE)

続いて伸展方向に反復して動かしてみます。すると、先程までは歩く時には無かった左足の上がりにくい感じを訴えられました。
(反復EIS worse? 歩行時の左足の上がりにくさ)

日常的に感じておられる症状とは違うのですが、すぐさま、先程にやった屈曲を再度評価します。
座位での屈曲をしっかりと5回…その後、歩いていただくと、左足の上がりにくさは消失しました(^-^)
(反復FISitting abolish 歩行時の左足の上がりにくさ)

あまりはっきりとした変化ではないのですが、初診の評価はここまでとして、屈曲エクササイズを宿題にします。

そして初診から5日目。

良いようです(^-^)

初診時の症状の1/10くらいになったとのこと。

初診の時には聞き漏らしていましたが、仰向けに寝るときの太もものつっぱり感がなくなったようです。

この数日はすでに両大腿外側の痛みはありません。右側を下にして寝るときの左大腿の痛みも無くなったようです。

とはいえ、まだちょっぴり残っていると感じておられるところがきになりますのでフォローアップを続けます。

その後、3週間ほどの間に3回フォローアップしましたが、少しだけ悪くなることがあったものの、概ね改善傾向です。
エクササイズのポイントの指導など追加しつつ、初診から26日目。

お伺いすると、この一週間は全く症状は出ませんでした。座位での反復屈曲エクササイズはは一日3セットは出来たようです。 ごくたまに左大腿のピリッとした痛みがあるくらいで、もうほとんど気になりません。

A子さん
いままでお風呂から上がって体を拭く時に、脚がちゃんと伸ばせないでいたんですが、まっすぐに立って体がふけるようになったんです(^-^)

これまた初診時には聞き出せなかった情報ですが、ご自分の体に起こっている変化を客観的によく観察しておられるようです。

マッケンジー法では初診時だけでなく、フォローアップの時点でも、日常生活の状況と症状との関連について事細かにお伺いします。
こうすることで、患者さん自身も自分の症状がどのような時に良くなるのか、あるいは悪くなるのか、現在の症状はどうなのかなどを客観的に観察するような習慣ができていきます。
この習慣はマッケンジー法の最終目標である痛みのセルフマネジメントへとつながっていきます。

-マッケンジー法・症例ファイル

Copyright© 糸島こどもとおとなのクリニック , 2018 All Rights Reserved.