福岡・糸島の整形外科・小児科・児童精神科・歯科・リハビリ科

糸島こどもとおとなのクリニック

マッケンジー法・症例ファイル

case_71 急性頚部痛・急性斜頚

投稿日:

痛みのために首が傾いていて、自分ではまっすぐにできません

糸島こどもとおとなのクリニックからお届けするマッケンジー法・症例ファイル。本日は突然首が痛くなった10代前半・女児のお話です。

急性腰痛症(ぎっくり腰)のマッケンジー法による評価・治療なら聞いたことがあるけど急性頚部痛にマッケンジー法?と思われた方もいらっしゃるでしょうか。
マッケンジー法は脊椎・四肢に対する疼痛の評価・治療法ですから、もちろん急性頚部痛も評価の対象です。

昨日の朝、髪を結んでいて急に首の左側が痛くなったようです。昨日は近くの整形外科に行ってレントゲン写真を撮ってもらい、湿布、痛み止めの飲み薬を出されたそうですが今日も学校で痛みが強く、早退して当クリニックへ来られました。

そのお子さんの様子を見た外来看護師から、待合室で首を傾けて泣いているとの報告を受け、早速診察に入ってもらいます。

痛みのために右に首が傾いた状態で、あまりに痛いためどの方向にも動かせません。
そういう間にも目には涙が…。でも、焦りは禁物ですね。前医でも撮影されているようですが、念のため単純X線写真の確認も行い斜頚がある以外は問題ないことを確認しました。

まずはゆっくりと自分のペースで診察台の上に仰向けに寝てもらいます。そのままでは首が痛いので、タオルで低い枕を作り、痛みが軽くなるようにしながら様子を伺います。

佛坂
少しずつ自分でできる範囲でいいから、ゆっくりと左を向けるかな?

少しずつ…正面からさらに少し左に…

佛坂
ゆっくりと少しずつでいいから……痛い時には無理せずに教えてね…

細かく声をかけて様子をうかがいつつ、評価を進めます。
そしてさらに左に…と少しずつ左側を向けるようになってきました。
そして最終的に左いっぱいのところまで向けました!

佛坂
それじゃ、ゆっくりでいいから起き上がってみようか?

恐る恐る…起き上がると…

お母さん
あっ、起きられたね!

お子さんからも笑顔がこぼれました(^-^)
先程まで痛くて自分では首が支えられなかったのでとても嬉しそうです。

でも、まだ少し右に傾いています。

自宅でのエクササイズについてご説明し初回セッション終了としました。

そして翌日…。

かなりよいようです。 が…右斜頚はまだ少し残っています。

すでに座位で、ゆっくりと通常の半分程度までなら左を向くことも可能になっています。
最初は首の痛みでそれどころではなかったのですが、今あらためて確認すると、姿勢がとても悪いのでこれについても良い姿勢のポイントを説明しながら矯正します。
その姿勢のままで左を向くとまだ多少痛みますが、繰り返すとだんだんと左後頚部の痛みは軽減していくようです。

自分でどうしたら良くなるのかがわかったので、学校に行く不安はもう無いようです(^-^)

それからさらに2日後、初診から3日後になります…まだ少しだけ痛いようです。
だいぶ痛くなくなって、エクササイズは少しサボりがちですと照れ笑いしながら正直に打ち明けてくれました。姿勢も悪いままです(^_^;) 可動域を見ると、左に首を傾げる動作はまだ重度の制限があり、左後頚部にわずかな痛みがあります。
(左側屈 重度制限、左後頚部痛 VAS 1/10)
左向きも痛みは軽いですが明らかに左右差があります。
(左回旋中等度制限+) 姿勢は依然として良くないので、良い姿勢のポイントを再度確認して矯正します。
バドミントンを習っているとのことでしたので、姿勢を矯正することの大切さの例として、当クリニックのマッケンジー法・症例ファイルでもご紹介したことがある、バドミントンを子どもたちに教えている60代の女性が…とお話しかかったところ、なんと、その方にバドミントンを教えてもらっていることがわかりました。しかもネットでその記事をすでに読んだとのこと。

佛坂
それなら、姿勢が大切だって話を書いてたの覚えてる?
Cちゃん
はい(^-^)

もう少し良くなるまで経過観察することにします。帰り際に質問がありました。

Cちゃん
バドミントンしてもいいですか?
佛坂
もちろん大丈夫。それよりも何を気にしてほしいと思っているかわかる?
Cちゃん
(姿勢を正しながら)…(^-^)
佛坂
そう、そうれね!(^-^)

そしてその1週間後には頚部痛は完治し自由に動かすことができるようになったことを確認できました。姿勢についての理解もそれなりにできていますので卒業でよいでしょう。

お子さんの場合、なかなか病院に来る機会がありません。一方で、たとえ今はなんともなくても、良い姿勢を意識した生活を習慣化することで、将来的に起こりうる様々な脊椎・四肢の症状を予防できる可能性があります。今回はたまたま急性頚部痛で来られましたので、姿勢とは関係ないように思われる方もいらっしゃるでしょう。しかしたとえ来院の目的とは違っていても、そのお子さんの将来を考え、姿勢の指導は続けていきたいと考えています。

-マッケンジー法・症例ファイル

Copyright© 糸島こどもとおとなのクリニック , 2018 All Rights Reserved.