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糸島こどもとおとなのクリニック

マッケンジー法・症例ファイル

case_90 右下腿痛(ふくらはぎの外側の痛み)

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右股関節あたりの痛みが徐々に右大腿前外側あたりに痛みが移ったようです

糸島こどもとおとなのクリニックから不定期にお届けするマッケンジー法・症例ファイル。今回は右下腿の痛みで来院された80代男性のお話です。

一週間ほど前、草取りをしてから右股関節あたりの痛みを覚えました。その後、徐々に右大腿前外側あたりに痛みが移ったようです。お近くの整形外科にかかりレントゲンで異常なしと言われ、電気治療などをうけて、鎮痛剤を処方されたそうですが、改善しないため来院されました。

痛みのため歩けず、とりあえず車椅子で移動していただいてレントゲン撮影をすませ、画像を確認しメカニカルな評価ができないような重篤な病変がないことを確認しました。

車椅子に座った状態で右下腿の痛みは2点(考えうる最大の痛みが10点満点として)、立位でズキンと来るときは7点はあるようです。

現在は痛くてとてもROM検査できませんので、症状と問診情報から腰を横に動かす評価を先にしてみることにしました。

まずは壁の横に立っていただき、腰をゆっくりと左側に動かしてもらいます。

B男さん
痛みが強くなります!

もどったらもとと同じレベルにもどるようです。
(RSGIS 下腿痛increase-NW)

佛坂
今度は反対を向いて反対に押してみましょう
B男さん
(じわっと押しながら)……んっ?痛くない……
佛坂
痛みが軽くなりましたか?
B男さん
全然痛くないです!

続けて繰り返してみます。
体操をしているあいだは全く症状が無いようです。

佛坂
それではまたまっすぐに立ってみましょうか……いかがです?
B男さん
やっぱり足にピリピリ痛みがありますね……
佛坂
歩いてみましょうか
B男さん
来たときより少しいいようです

(反復LSGIS 運動中abolish 運動後B) 腰を横に動かす体操を宿題にして初回セッション終了しました。

それから4日後。

だいぶ良いようです。点数にして0.1点くらいと言われます。 右下腿の張ったような感じくらいで、もう痛みではありません。
実は初診の日、車で家に帰り着いたときには再び痛みが強くなっていて、倒れ込むように家に入り、少し落ち着いてから再び言われたとおり、夜も1時間おきくらいに体操をできたようです。そして翌朝には痛みもなく目覚めたものの、良くなったと動き回っていてまた夕方に増悪するような感じでした。
昨日も夜に少し痛みがありましたが、体操で良くなったそうです。
今はつま先立ちの力も入り、痛みもありません。

横の動きから腰をそらす動きに切り替えてみます。

まずは肘をついてうつ伏せの状態になってもらいます。

B男さん
違和感がなくなりました

(puppy持続 右下腿の違和感 abolish)
うつ伏せの腰をそらす体操を5回、これはあまり変化ありません。

さらに腰をぐっと落として負荷を増やして5回。歩くときの右下腿違和感は軽減した感じがあります。

今度は立っていただき流し台に腰をあてて腰をそらす運動を5回……これは少しピリピリ感が増悪しました。負荷の上げ方が早すぎるのかもしれません。

もう一度うつ伏せの体操をして、これで右下腿の違和感が再び軽減したのを確認し、今回の宿題はうつ伏せの腰の伸展に決めます。

それから2週間ほどして来院されました。

右下腿にすこしだけ張ったような感じがあるくらいで痛みはありません。 まだ歩きはじめなどに両大腿に少ししびれを覚えることもあるものの、歩いているとすぐに消えるようです。 エクササイズをチェックし、きちんと出来ている事を確認できました。

今回は最初、横方向に動かしたらよい状態でしたが、2回めに診察したときには通常の腰をそらす方向が有効でした。
マッケンジー法は単一の体操法ではなく、このように毎回評価するたびに変化する患者さんの状態に応じて、そのときに患者さんが何をすべきかを見出して進むべき道を決めていく、いわば完全カスタムメードの評価・治療法なのです。

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