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糸島こどもとおとなのクリニック

マッケンジー法・症例ファイル

case_92 左膝痛

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膝に注射の治療を受けていたのですが改善しません

糸島こどもとおとなのクリニックからお届けするマッケンジー法・症例ファイル。今回は長年続いているという左膝の痛みで来院された60代、女性のお話です。

左膝の痛みはかなり前からあるようで、いつからなのか、はっきりとは覚えておられません。この1年半ほど、お近くの整形外科で関節内注射を受けて来られましたが、さして改善した感じがなかったようです。

左膝に水が溜まっているような感じがするとのことですが、触診しても明らかな水腫はありません。

左膝の伸展は制限があり(自動、他動とも伸展-15°)、単純X線検査では骨棘(骨棘:骨のトゲのような変形のこと)と関節の隙間が狭くなっているなど、一般的に整形外科では変形性膝関節症とよばれる状態です。

しかしよくお伺いすると、かならずしも曲げ伸ばしの動作や歩行による痛みではなく、また同じ動作をしても痛いときと痛くない時があるとのこと。

このあたり、これまでマッケンジー法・症例ファイルをご覧頂いている皆さんには少しピンとくる情報かもしれません。

今現在は、左膝の痛みは無いのですが、左膝には明らかに右とは異なる違和感があることを確認できました。

まずは姿勢から。姿勢を矯正して保持すること1分。

佛坂
左膝の違和感はいかがです?
A子さん
少し軽くなってるような……

この程度の返答では明らかに良くなっているとは言えませんし、有意な改善とは考えません。
しかし、悪くなっていないことはわかります。

可動域検査では膝には先にお話した程度の伸展制限がありますが、腰椎にはさほど運動制限はありません。

比較的お上手に立ったまま腰の伸展ができていますので、立ったままバランスを取りながらしっかりと腰椎の伸展を10回。

佛坂
ちょっと歩いてみましょうか
A子さん
左膝が少し軽くなった感じがします…

初回評価はこの程度にして姿勢、エクササイズについての宿題を決めました。
(EIS 10回/セット、5〜6セット/日)

そして初診から6日目。

症状は改善しているようです(^-^)

A子さん
エクササイズは一日4セットほどしていたんですが、最初の数日はあまりはっきりした効果もなくこんなものかなと思っていました。その後、ふとじっとしているときの左膝の疼きや左下で寝ているときに左膝が痛くなって目が覚めることがなくなって、そういえば痛くないと気づいたんです!
佛坂
その後、左膝はいかがですか?
A子さん
それが不思議なんです……。もう10年以上もしょっちゅう左膝の痛みを意識していたのに、この数日は痛くないんです……ほんと、不思議……

こちらのクリニックに来られたきっかけをお伺いしたところ、

A子さん
実は、息子の湿布をこっそり使っていて息子に怒られて、自分の湿布を出してもらおうと来てみたんですが、結局湿布はいらなくなりましたw

湿布を出してもらうはずが、体操した結果、左膝の痛みが良くなってしまったという展開に、ご自分でも驚いておられる様子です。

佛坂
どうやら、膝の痛みは腰に関係があったみたいですね。腰を曲げることが重なって悪くなったのでしょうから、今後も腰を伸ばす体操を続けてくださいね(^-^)

十年以上続いていた左膝痛。診察すると伸展制限もあり、単純X線検査では変形性膝関節症の所見が揃っていました。
しかし、マッケンジー法で評価した結果、初回に処方したエクササイズは膝関節の運動ではなく腰椎の伸展でした。

先に述べたとおり、初回の評価時に明らかにわかるほどの劇的な改善はなかったものの、少しだけ良いかもしれないという感覚はありました。少なくとも悪い印象は全く無かったので、「よいかもしれない」ことを続けてみたのです。

ご自分でも振り返っておられたように、最初の数日はあまりはっきりとした効果もないのに、よく続けていただいたと正直なところ感心しました。

もちろん、このようにうまく行く事ばかりではないのは言うまでもありません。
もし、2回目の評価時に症状が悪くなっていたとしたら、その症状の変化により別の道を選んでいたかもしれません。

このようにある一定のエクササイズを続けることで症状が良くも悪くもどう変化したのかというフィードバックをいただきつつ進むべき道を患者さんと共に見出していく、これもマッケンジー法の優れたコンセプトのひとつなのです。

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