福岡・糸島の整形外科・小児科・児童精神科・歯科・リハビリ科

糸島こどもとおとなのクリニック

マッケンジー法・症例ファイル

case_95 右手関節痛

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エクササイズで良くなっていたのに、また痛くなってきました

糸島こどもとおとなのクリニックから不定期にお届けするマッケンジー法・症例ファイル。
今回は右手関節痛の再発で来院された、60代女性のお話です。

実はこの方、case_60でご紹介した方です。昨年末に同じ部位の痛みで来院され、頚椎のエクササイズでいったん完治しました。

2〜3ヶ月前くらいからだんだんとまた痛くなってきて、バドミントンのラケットが振れなくなりました。
以前指導した姿勢については普段からよく意識できていて、エクササイズもその頃と変わらず毎日5セットくらい実行しておられるとのことです。

痛いと言われる右手関節橈側(親指側)〜母指CM関節(母指の付け根あたり)に軽度の腫張があります。

単純X線写真では右母指CM関節(付け根の関節)に変形があり、整形外科では母指CM関節症と呼ばれる状態です。

さて、診察室に用意してある塩ビのパイプをラケットに見立てて振っていただきます。

ただ振る動作では痛みは出ませんが、手関節を掌屈しながら橈屈するときに8点(考えうる最大の痛みが10点満点として)の痛みが再現できることを確認しました。

これまでやっておられたエクササイズをチェックします。

すると、顎の引き方と首のそらし方がゆるいことがわかります。
実はこれらのエクササイズのポイントがうまく出来ていないことはよくあります。

それでも、どのくらいの効果があるのかはやってみないとわかりませんから、とりあえずご自分のやり方で5回エクササイズを終わってからお尋ねします。

佛坂
さっきの痛みはどうですか?
A子さん
(何度か確認しながら)……ああ、少し違うかも……

悪くはないようですが、はっきりといいとも言えません。

そこで負荷をかけるポイントをしっかりと指導しながら5回やっていただきます。

佛坂
もう一度確認してもらえます?
A子さん
あらっ、さっきの痛みはなくなったんですが、今度は少し違う場所が痛いです……
佛坂
どのくらい痛い?
A子さん
6点くらいかな

この痛みの場所が変わるというのは、マッケンジー法の世界ではとても良く知られているある分類であることを示唆する特徴の一つです。

もう一度、さらにしっかりと負荷をかけることを意識できるように声掛けしつつ5回伸展のエクササイズをやっていただきます。

「もう限界……と思っても、そこからさらにあと1cm〜って感じでやってみましょう!」
みたいな感じですw

佛坂
さっきの痛い動きやってみましょうか?
A子さん
(何度も繰り返して確認しながら)……だいぶいいです…(^_^;)
佛坂
何点くらい?
A子さん
2〜3点くらいです……魔法みたい……(^-^)

もちろん魔法なんかではなく、エクササイズのやり方が変わっただけであることは言うまでもありませんw
やる内容は同じでも、ポイントをしっかりと意識することで効果に違いが出ることを、一緒にエクササイズをやりながら体験してもらいます。

A子さん
子どもたちからバドミントンを一緒にできるようにはやく病院に行っておいでよと言われてたんですが……早く来ればよかったですw

子どもたちのキラキラと期待に満ちた眼差しに後押しされて来院されたのでしょうね(^-^)

今回ご紹介したように非常に早い経過で症状が良くなった人は長い目で見るとある意味要注意でもありす。
それは生活習慣の改善やエクササイズのやり方があまり身につかないうちに症状が良くなってしまうと、やるべきことをやめてしまう人も多く、また症状がぶり返したときに、エクササイズのやり方が自己流になってしまう人が多いのです。
どの時点で卒業にするのか……マッケンジー法で重要視している再発予防という最終ステージが簡単ではないことをお伝えできればと思います。

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