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糸島こどもとおとなのクリニック

マッケンジー法・症例ファイル

case_96 左肩痛・頚部痛

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転んで打った後に左肩に痛みを覚えるようになりました

糸島こどもとおとなのクリニックから不定期にお届けするマッケンジー法・症例ファイル。今回は打撲後に続く左肩痛のため来院された60代女性のお話です。

実はこの方、昨年末に両膝が痛くて受診されたことがあります。この治療経過は今回割愛しますが、腰椎の伸展エクササイズで完治した方です。

これまで症例ファイルをご覧頂いている皆様にはもう珍しいことではないと思いますが、膝の痛みのために来院された患者さんで腰椎のエクササイズのみで症状が改善する人は少なくありません。

こういった経験もあり、今回、左肩の痛みについてもかかってくださいました。
患者さんに信頼されるというのはなんとも嬉しいものです(^-^)

さて、1週間ほど前、40cmほどの段差を踏み外して転倒し、その際に左肩と左臀部を打って受傷しました。

その時は忙しくてそれなりに動けていたようですが、2日前から左肩の痛みが強くなり、自分ではこの程度でとは思ったものの、ご家族の強いおすすめで来院されました。

単純X線写真では骨折などの外傷による変化は認めません。

左肩の症状ですが、マッケンジー法での評価は……そう、頚椎からですね!

頚椎の可動域を確認します。顎を前に出す動作と下げる動作で首の左側後方に突っ張り感を覚えます。
(PRO、FLX軽度制限 左後頚部に突っ張り)

左手を前方、横から上げていただき、後方に手を回したときの痛みについても確認します。
何度か動かしていただき、同じ程度の痛みが毎回あることを確認します。 (前方挙上 4点、外転 4点、HBB 6点)

座っていただき、姿勢を確認します。

佛坂
今座ってる姿勢は人前だから意識した姿勢ですか、それともいつもこう?
A子さん
以前指導してもらってから、いつも意識してますが、ときに、だらりとなると、いけない、いけないと、またできるだけ姿勢を意識するようにしています

たしかに背筋はのびていますが、顔が少し前に出ている状態です。 この点を矯正してみます。顎を引くポイント説明して姿勢を矯正した状態で保持すること1分。再び左手を上げていただきます。

A子さん
さっきよりいいみたい……(手を上げながら)1点くらいかしら……(手背を背中につける動作をしながら)これは3点くらいですけどさっきよりだいぶいいです!

この姿勢矯正による反応を参考に、しっかりと伸展することを1回、安全性を確認して続けてトータル5回の伸展をしていただきます。

佛坂
もう一度手を上げてみましょうか
A子さん
(微笑みながら完全に手を上げきって)……0点です!

(RET+EXT w/op self 5回 abolish 左肩挙上時痛)

今回は転倒して打撲した後の左肩痛ということで、外傷に対する治療、あるいはマネジメントを最初から考えがちではないでしょうか。
しかし、お話をよく伺ってみると、直後は動かせていたのに昨日から痛みが強くなったとの訴えがあり、単純な打撲傷のような状態では説明できない左肩痛の増悪ではなかったかと思います。
もちろん、外傷については外傷のマネジメントをするべきなのですが、そもそも、その痛みが本当に外傷による痛みなのか。
外傷をきっかけに発症した他の部位に関連した症状である可能性はメカニカルな評価をしてみないとわからないのです。

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