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糸島こどもとおとなのクリニック

マッケンジー法・症例ファイル

case_163 右踵痛

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半年ほど前にランニング中に右踵が痛くなりました

福岡、糸島こどもとおとなのクリニックからお届けするマッケンジー法・症例ファイル。
今回は右踵の痛みがあって来院した10代男児のお話です。

半年ほど前、ランニング中にだんだんと右踵に痛みを覚え、その後も部活中に時々右踵が痛むようになりましたが、すぐに良くなるため放置していました。

一昨日急に走り出したときにまた右踵が痛くなりました。走ったら痛いのですが、歩くときはさほど痛みは感じません。小学生のころ、スライディングで右足首を捻ってサポーターで治療したことがありますが、それを外した後は特に痛みを覚えることなく、不安感もありませんでした。今痛いのは踵あたりなのですが、当時使っていた支柱付きサポータを装着していると少し歩きやすいとのことで、それを装着して来院しました。

中学での部活は水泳で特に足首に負担がかかるということはないようです。

装具を外して診察室を歩いてもらっても全く痛みはありません。右足でケンケンすると踵からアキレス腱あたりにかけての3点(考えうる最大の痛みが10点満点として)の痛みが再現されました。

座っている姿勢をみると、最近のお子さんにはよく見られる丸く猫背の状態です。
姿勢矯正して保持すること一分。
もう一度、右足でケンケンしてもらうと、痛み方がちょっと変わった感じがするようです。

立ってもらい、腰椎の可動域を確認します。さすが10代、全方向に自由に動き、踵の痛みは特に誘発されません。

あまりこれと言ってまだ変化が見いだせないのですが、普段姿勢が悪いことを手がかりにまずは伸展方向の検査からしてみることにします。

たった状態で、腰に手を当てて、できるだけ腰をしっかりと、10回そらしてみます。

D男くん
う〜ん……あまりかわらんかな〜

(EIS 10回 NE)

ここでさらに伸展の負荷を上げるのも一つの方法なのですが、まだ症状の変化がほとんどない状態ですので、今度は真逆の屈曲を座った状態で10回、しっかりとやってみます。

佛坂
さっきのケンケンのときの痛みと比べてみてね
D男くん
あっ、あんまり痛くないです!

(FISitting 10回 B)

自覚的にはかなり痛みが軽くなったようなので、続けて10回。

D男くん
さっきと同じくらいかな…

(FISitting 10回 NE)

先程以上には変化はないようですので、この屈曲する体操を宿題にして初回の評価を終了しました。

それから3日後。

だいぶいいようです。エクササイズは一日6セットくらいできました。
やれば良い感じで、やった直後は完全に良くなるのですが、その後また1点くらいの症状が戻ってくる感じが続いています。 今はケンケンで1点の痛みがありますので、宿題にした座って腰をしっかりと曲げるエクササイズを10回やってもらいます。

佛坂
ケンケンしてみようか
D男くん
いまはなんともないです!

(FISitting 10回 abolish B)

さらにしっかりと曲げるエクササイズとして仰向けに寝っ転がって、腰をしっかりと丸める体操をやってみましたが、ケンケンしても痛みは無い状態が続いています。

座ってやるやり方より、腰のしっかり曲がる感じがわかるようですから、これもできるときにやってみることにしました。

それから5日後。初診から8日目になります。

ほとんど治ったようです。
寝てやるやり方もけっこう頑張ったようです。踵に軽い違和感を覚えても、エクササイズはやるとほぼ症状は消えて、次にエクササイズをやる前にごく僅かに痛むかなという程度です。
その症状も日々右上がりに良くなっている感じがすると言いますから、もうしばらくエクササイズはこのままの負荷・頻度でやり続けて行くことにしました。

半年ほど前に始まった右踵の痛みでしたが、今回は腰をしっかりと曲げるエクササイズで速やかに改善してしまいました。

猫背のお子さんで腰を曲げたほうが良いというのは、なんとなく矛盾を感じる人もいるかもしれません。

一般的には日常的に繰り返される姿勢や動作が症状に関係していることが多いのですが、マッケンジー法で評価してみると、実際には今回ご紹介したお子さんのように予想とは異なることは稀ではありません。
マッケンジー法ではある症状に対してどのように評価を進めていくのかという大きなルールが決められています。問診情報から予想した自分の考えにこだわって評価を進めるのではなく、実際に患者さんを評価した結果を見ながら次にどう評価を進めるのかを決めていくと、結果、症状改善への近道となることが多いのです。

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